安否の確認だけでなく、会話のきっかけをつくることも大切にしています。
なぜ「ただ見守るだけ」で終わらせないのか。その理由を、国内外の研究データとあわせてご説明します。
気持ちの負担
機器を嫌がる理由は、機械が苦手だからとは限りません。ずっと心配される側でいることへの抵抗感もあります。
一方的に助けられ続けると「お返しができていない」という申し訳なさが募り、かえって心の負担になることが知られています(心理的負債感)。
人を助けたり誰かの役に立ったりしている人こそ、結果的に自分の心身を健康に保てるという原則があります(ヘルパー・セラピーの原則)。
研究データ
数万人規模の高齢者を追跡した国内の研究(日本老年学的評価研究)から、一貫した傾向が見えています。
約40%低い
要介護リスク
趣味の集まりやボランティアなど、参加する活動の種類が増えるほど、要介護になるリスクが段階的に下がる傾向が見られました。
金森氏ほか(2014年)/対象12,951人・4年追跡
15.3人
役職者の年間死亡(1,000人あたり)
同じ集まりに参加していても、世話役や進行役など何らかの役割を任されている人のほうが、長生きしやすいと報告されています。
石川氏ほか(2016年)/対象10,271人・約5年追跡
約20%低い
認知症の発症リスク
集まりで役割を持つ人は認知症リスクが低く、逆にどこにも参加していない人はリスクが高まる結果が出ています。
根本氏ほか(2017年)/対象13,850人・平均7.9年追跡
運営役を担う人は、ただ参加するだけの人に比べて心の健康度が高く、豊かなつながりを感じていることも分かっています(江尻氏ほか、2022年/東京都155グループ・2,096人)。
認知機能との関係
小さな役割を持つことが、脳の機能にも関わっているという報告があります。
高齢者が小学校で子どもたちの学習を支える役を担ったところ、脳の機能に良い影響があったという研究結果があります(カールソン氏ほか、2015年)。
予定を自分で決める、花に水をあげる。そうした小さな選択や役割を持つだけでも、心身の活力が向上することが分かっています(ランガー氏・ロディン氏、1976年)。
孤立によるリスク
ここまでは役割があることの効果をご紹介しました。では逆に、孤立するとどうなるのでしょうか。
まだ元気だと思えるうちにこそ、つながりを細くしない工夫が要ります。誰とも話さない日が続くことは、本人も気づかないうちに活力を奪っていきます。ホームでご紹介した「交流が少ないと要介護1.4倍」という数字も、この流れの中にあります。
サービス方針
機器を置くだけでは会話は増えません。通知をきっかけに、自然に声をかけられる関係づくりをお手伝いします。
朝起きたか、散歩に出たか、部屋は暑くないか。生活の様子をそっと見守ります。
「今日は早起きだね」「部屋が暑いみたいだからお水を」。具体的な声かけがしやすくなります。
昔から得意な料理のレシピを聞くなど、教えてあげる立場になれる引き出しを一緒に探します。
離れて暮らすと、親子のつながりはどうしても細くなります。たまに電話をしても「元気?」「うん、元気」で終わってしまう。必要なのは四六時中の監視ではなく、日々の様子がさりげなく伝わる安心感と、頼りにされる出番が残っていることです。
出典
※ これらは社会参加・役割と健康の関連を示す研究報告です。当サービスの利用による効果や、特定の病気の予防・改善を保証するものではありません。数値は各研究の発表時点のものです。
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